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津村 喬 中医学 太極気功研究 枕書茶楼 老驥居 zen cooking 気功辞書

*  気功用語辞典  *

2016年8月7日 気功辞書(1)
2015年5月21日 150語ほどを一気に訳した。
2015年5月22日 三日間取り憑かれたように訳した。
2015年5月23日 もとの「辞典」より読みやすそうになった。

 



2015-16フィンランド気功辞書(1)

2016年8月03日

写真



WANG WU

Foundations of Internal Alchemy

The Taoist Practice of Nadine

悟真篇丹法要旨英語版

巻末用語辞典

 

 

 

◆原版は中国語併音、漢字表記、英語だけが描かれている。日本語の説明を付け加えたのは津村である。

 

 

 


baqua 八卦 eight trigram

 易占の八つの卦。


bairiguan 百日関 barrier of the hundred guard

 百日築基、百日立基といわれる内丹術の基礎功夫の達成をバリヤーの面から言ったものと思われる。いくつかの辞典にはない。


baimai 八脈 eight vessel

 奇経八脈のことか。


Baopuzi 抱朴子 book of master who emarances


spontaneous nature

 葛洪(248-364)は東晋の著名な道家兼医師だったが、また表では一貫して儒学の官僚として過ごした。抱朴子と号し、その主要著作も抱朴子と名付けた。書物の抱朴子は前半官僚としての心得を書いているが、後半でこの時代までの道教の気功、呼吸法、食養生、呪文、符録などの百科全書的な記述になっている。


baoyi 抱一 embracing unity

 元を抱いて一を守るという意味。修身養性の基本の道。範囲は極めて大きいが延命長寿、増強体質を主として指す。


Bencao gaomu 本草綱目 Phamacopen arranged into headings


and subheadings

 李時珍が編集した薬用本草の百科全書。古代から何度も編集されてきた物だが、明の李時珍が集大成し、今日まで使われている。気功に関する記述も何カ所か見られる。


biguan 閉関 confinement

 内丹用語としては①陽関を閉じること。また②閉息のこと。より広い意味では③玄関を閉じて外部と交渉を断ち、一定期間の瞑想に入ること。誰にもしばらく会わないということだが、出来れば食事なども簡単な保存食にして最小限を食べ、生活の大部分を瞑想に充てる。私たちは過去に何度も北京の寺で閉関を試してみた。芭蕉が晩年一ヶ月の閉関を試みている。「朝顔や昼は錠おろす門の垣 ばせを」


Cantongqi 参同契 Token for the joining of the three

 周易参同契とも呼ばれる。東漢の魏伯養が書いた。現存する最古の練丹理論を系統的に叙述した著作である。『周易』の八卦を基礎とし、黄老学説を総合し、先秦の養生経験を総括した。上中下三編からなり、上篇は天人合一と政治の道、中篇は養生と内丹の理法、下篇は練丹服食のありかたを論じた。 


chang 常 constant

 特別の気功用語、内丹用語の辞典には載っていない。普通の辞書を引く限りでも、いつも、ふだんの、しばしばなどの普通の意味しか載っていない。


Chentuan 陳摶 920-89

 宋代四川の人。太極理論の中興の祖となり、太極図を策定した。また睡功の達人として知られており、武王の前で長期間睡眠してその間に各地におこったことを当ててみせた。


chongmai 衝脈 thoroughfare vessel

 体の中心部を通る経脈で奇経八脈の一つ。会陰から心臓の辺りで途切れているが、理想化されて会陰から百会を貫くものとされ、チベット密教で言う中脈に対応する経絡とされた。


chuyangshen 出陽神 egress of the yang spirit

 いわゆる魂で元神が頭から抜け出したもの。


dajietio 大解脱 great liberation

 仏教気功の用語で、仏教徒の修行の最高段階で、煩悩業報の束縛を逃れ、自在無碍になること。


daimai 帯脈 girdle vessel

 中医学の用語で臍と命門を帯状につなぐ経脈。奇経八脈の一。


dantian 丹田 cinnaber field,the center of a person's


abdominal region

 内丹家が丹を結ぶ場所を言う。上中下三丹田を言う場合と五丹田の場合がある。内丹派では眼の奥の松果体、臍中、命門、命門と臍中の中間、会陰が丹田である。三丹田は額の奥、両乳の間の奥、臍の奥を指すが、特に下丹田を「五臓六腑の元」「十二経脈の根」とする。丹田は一宮、一竅、玉房、本宮、明堂、祖府などさまざまな異名があり、道藏の中だけで七百七十余の名称が見られる。


Daodejing 道徳経 Book of the way and it`s virtue

 老子が書いたとされる五千文字の書物。前半が道、後半が徳で始まるのでこの名前でもよばれる。哲学、倫理、養生学が一体になった著作で、道家の体系を作った。「その心を虚とす」「その腹を実とする」「綿々と存するがごとし、これを用いて勤めず」「虚の極に至り、静を守ること篤し」「谷神不死、これを玄牝という」などの気功修練の基礎となるたくさんのことばがある。


daoxin 道心 mind of the dao

 ①悟道の心を言う。②元神を指す。③照心のこと。

 


daoyin 導引 guiding and pulling

 気を導いて、肢体を引動する。「引く」には中国独自のストレッチング運動の意味がある。自己の身体訓練をして行き、防治疾病、健康長寿に役立てる。導引、吐納、静定、存思、内丹が気功の五大領域であるが、世間でやられている気功の90%以上が導引である。


dayao 大薬 great medicine

 内丹用語としては神と気を大薬という。神と気が丹田に至って有形有象となった時が大薬である。


de 徳 virtue

 徳を養うことが常に功を養うことに先行しなければ、功力自体が悪魔の力になるかも知れない。徳は練功の保障である。狭い練功だけでなく涵養道徳こそが練功を生活の中で生かすことだ。気功が「術」でなく「道」になるには徳が必要である。このことについては長い歴史の中で深く研究されてきた。


dihu 地戸 door of earth

 内丹述語。①鼻のこと。②丹田の異名。③口のこと。④陽関、谷道のこと。


dongtai 動態 dynamic state

 内丹用語とは思えない。


dumai 督脈 control vessel

 奇経八脈のひとつ。下腹から会陰、命門と背骨に沿ってあがり、風府穴から脳内に入り、額から下りて鼻の下まで。


dunfa 頓法 immediate method

 突然に悟る方法。漸法を見よ。


fa 法 dharma,model

 法則性。実践的な方法。


famen 法門 dharma gate


fangshi 方士 master of the method

 気功等修養の道をある程度積んだ者。


fuqi 服気 ingesting breath

 呼吸法一般を指す場合もあるが本来は吸気し、咽気し、意を用いて気を丹田に送る煉功方法の一種。『晋書・張忠伝』に、「恬淡にして静かに、欲を少なくし、清虚にして服気し、霊芝や薬になる石を食べ、導引養生の方を学ぶ」とある。


guan 関 barriers

 内丹術の用語としては丹田の異名。


guixi 亀息 breathing like a turtle

 亀の呼吸。通常は立位または座位で前屈みになって息を吐き骨盤内を圧迫して、顎を出して息を吸ってきて後頭部を圧迫し、骨盤と脳の血液を急速に入れ替える。また胎息をさすこともある。


gushen 谷神 spirit of the valley

 文字通りには「谷の神」で英訳も直訳になっているが、すべてを生み出す母性を意味することが多い。

 


heche 河車 river chariot

 煉功時に内気運行を主導する主観意念を指す。腎中の真気と心身が結合して生まれ、十二経脈と奇経八脈が結びついて内気循行が生ずる。『鐘呂伝導集』では小周天を小河車、大周天を大河車といっている。


houtian 後天 post celestial,poster to heaven

 先天後天と対比される。気功では生まれた後「おぎゃあ」といって肺呼吸が始まってからのことを後天といい、それ以前の腎呼吸を先天呼吸という。一般の気功は後天の鍛錬をして肺で取り入れた気を全身に供給するが、内丹気功では先天を回復させることに重点がある。


huan 還 return

 文字通りには「もどる」こと。「還精補脳」のように、精液をそのまま使わずにそれを質的に変化させて脳を強化することなどに使うこと。


Huandineijing 黄帝内経 Inner book of the Yellow Emperor

 紀元前に編纂された中国医学の最も基本となるテキスト。


huanpo 黄婆 yellow dame

 ①意念を指す。気功修練中に主導作用を起こして後天の腎精と心気を一体に合わせ、元精・元気・元神に変え、内気運行をして体内をめぐらせ、万物を生かして行く様は母が子を養育するようである。黄は土のこと、婆は母である。『性命佳旨』『入薬経』に見られる。②脾の中の液体を指す。『霊宝畢法』にある。中=黄、母というシンボルから他のさまざまなものをさす場合がある。脾胃(道枢指玄篇)胎息(中和集)丹田異名(性命佳旨)薬物(還真篇、悟真篇)。



Huantingjing 黄庭経 Cavity of the yellow court

 存思法のもとになった書物で、晋代の魏華存女史が書いたと言われるが詳しくはわからない。内丹の生理解剖書で、泥丸、玉枕、尾呂、丹田など多くの言葉がこの本に由来する。黄も庭も中央を指し、臓器としてよりは理想化された脾を指しており、実質丹田のことである。臓器をひとつひとつイメージしてそこの神と対話して行くことで、内臓を活性化し治癒していく。これが『黄庭内経』とよばれるものだが、『黄庭外経』というやや簡潔な別文が残されており、これは道士でもあった書聖王羲之が書き残している。


huiyinxue 会陰穴 meeting of yin cavity

 会陰(えいん)は肛門と性器の間のツボで上半身の一番下に当たるツボである。五丹田説では下丹田に当たる。


huozishi 活子時 living qi hour

 内丹術の用語。子は夜中の11時から1時のこと。腎間の動気が発動し、一陽が初めに生まれる時である。


huohour 火候 fire times

 火加減を意味する言葉だが、練功中に用いる意念の強さを表す。弱ければ生煮えになり、強すぎれば焦げ付く。そうならないほどほどの火加減で意識を集中することを意味する。

 

 

 

 


huxi 呼吸 exhaling ands and in halling

 調息のこと。調身、調心とともに練功の最も基本になる三要素とされる。清の薛陽桂は「人の一吸一呼は小さなことではなく、吸うことは天地の気が我に属することであり、吐くとは私の気が天地に帰ることである」といっている。


jiaji 夾石 spinal handleave

 ①第五、六胸椎の間の所。小周天でいう三関の中の関。②平に寝て肘を曲げ、両肘を結ぶ線の背骨中央の所。真気が通りにくい三つのポイントの一つ。『上洞心丹経訣・修内丹法秘訣』にある。『脈望』では両腎の間にあるとされる。     


jianfa 漸法 gradual method

 一歩一歩、ゆっくりと、理解と練功を進めて行く方法。その反対を「即座に理解する」という意味で頓法という。『天台小止観』(『童蒙止観』とも)は漸法で、『摩訶止観』は頓法で書かれているといわれている。


Jiang Weiqiao 蒋維喬 1827-1955

 二十世紀初頭から五十年代まで、止観を中心にした気功教育をし、大きな影響を持った。岡田式静坐など日本の気功に大いに興味を持ち、静坐の教科書などを中国語にした。


jing 精 essence

 体内で働く気が物質かした物で、精が動いて気が動き、それ自身気に変化する物と見られた。内丹気功の根本概念の一つ。


jing 静 quiescence in quid essence

 まず内面を静かにして初めて内省的になり、気功状態になれるとされた。松(リラックス)静、自然は気功状態の最小限の条件である。


Li shizhen 李時珍

 1518-1591。本草綱目52巻、奇経八脈考、頻湖脈学などの著作を残した。


lianjinhuaqi 練精化気 refining essence to transmute it into


breath

 本来内丹の基礎用語である。精を練って気に替えること。


lianqihuashen 練気化神 refining breath to transmute it into spirit

 気を練って神に替えること。

lianshenhedao 練神合道 refining spirit to return to join with the


dao

 神を練って道に合すること。


lianshenhuanxu 練神還虚 refining sprit to return to emptiness

 神を練って虚に還ること。


lianxi 煉性 refining one`s nature

 性は人格、性格、天性などの意味で、身体生命を意味する命にしばしば対立させられる。修心、性功ともいわれる。精神、性格、情緒を修練培養する。『天仙正理』には「古来言われるように、還丹より先に煉性が必要だし、大薬を修する前に修心が必要である」


lulu 轆轤 pulley

 『金丹大成』には夾脊が轆轤関だと書いてある。『道枢』には天柱穴のこととある。周天功で陽気が動き出す時に轆轤が回り始めると表現する。


Lu Dongbin 呂洞賓

 798~? 唐代末の道士。純陽子と号す。鐘離権に師事し、仙人になる。百余歳でなお童顔で、一日数百里を歩き、全国に足跡を残した。『太乙金華宗旨』など多くの重要な著作を残した。


minmen 命門 gate of life

 一般には腰椎三と四の間で丹田が気を貯める中心であるのに対して気を運用する中心である。中医学では①右腎。ふたつの腎臓の左を腎といい右を命門という。(『難経』)②督脈の穴位名。③晴明穴の異名(『霊枢』)。内丹樹の用語としては①丹田の異名。黄庭の中の丹田のある所(『黄庭内景経』)②脾のこと(『黄庭内景経』)③臍のこと(『黄庭外景経』)④鼻(『黄庭外景経』)⑤臍下つまり丹田(『道枢外景篇』)⑥右腎(『道枢』)⑦陽関、泄精の中心(『金仙証論』)


mingtang 明堂 hall of light

 さまざまな説がある。①のどの下(黄帝内経)②両眉間から中に一寸のところ。これを上丹田とも言う(黄庭外景経)③肺(黄庭外景経)④脾(黄庭内経)⑤元神のある場所。上丹田のこと(黄庭内経)⑥心・胃から臍の上まで(『按摩十術』)⑦中丹田と下丹田の左をいう(『広州越秀山三元宮修真碑』)


minxinjianxing 明心見性 enlightening one`s mind mind and


seeing one`s nature

 念心(イマジネーション)を断ち切って先天の神気の作用を発揮し、心を澄んだ水面に要にする。鳥が飛んでも波立たず、ただ鳥を映していて、またいなくる。


neihuxi 内呼吸 internal breathing

 肺でする後天呼吸でなく、腎でする先天呼吸を指す。また内丹用語としては胎息のことも指す。


neidan 内丹 internal elixir

 元は外に薬を求める外丹に対して体内に薬を形成していくことを内丹といった。現代の気功五大流派の一。


neiguan 内観 inner contemplation

 雑念を排除し、入静して以後の体内のどの部分かへの意念集中の状態のこと。疲労した神経を休息させ、正気を補い、病を治療予防し特異功能を発揮しやすくなる。『鐘呂伝導集』には「閉目冥心して内観し、神識自住となる」(意識と無意識全体をコントロールできるようになる)といい、『太上老君内観経』には「内観の道は神を静かにし心を定め、乱想を起こさず、邪念に侵されず、からだの中と物とを閉目して掌握できる」とある。


neiqi 内気 internal breath

 体内運行の真気を指し、外気に対立するもの。


neishi 内視 inner observation

 体内を想像力で見て行くこと。一般の気功では七三で閉眼し、内部に集中すること。内丹気功では眼の奥に集中し、松果体に視線を集め、さらに中丹田に落としてから体内を動かして行く。『仙籍旨訣』に「内視とは心を一つに注ぎ神を集中し神光が生き生きと五臓にまつわる」とある。

 


neiyao 内薬 internal medicine

 元神のこと。また腎間の動気のこと。


niyuangong 泥丸宮 palace of the muddy pallet

 脳の中央部、松果体に当たる部分。泥の丸とはニルヴァーナの音訳のニーユァンに由来する物で意味を持つ言葉ではない。


nixing 逆行 inverting the course

 逆行、逆来などさまざまに言う。気功修練の基本概念の一つ。世界は大気よく虚無であり、物質の変化はやむことなく、人も何時迄も生きていない。それが「順道」である。一定の修練によって有形の身体を無形の虚無状態に返して行くことで生命をも延長して行くのが「逆行」である。『性命佳旨』には「形化精、精化?、?化神、神還虚を逆来という」とある。


qigong 気功 qi training

 伝統用語としては心身を強調させること。識神(意識活動)を減少させて元神(大脳皮質の調節活動、無意識)を活性化し、調身、調息、調心を通じて脳の潜在力を活性化して行く。大舞、導引、吐納、食気、服気、行気、静坐などの総称である。現代に劉貴珍がこの言葉を復活させた。当初は呼吸法中心の言葉だったが次第に広い範囲の心身技法を気功というようになった。現代の気功の五大流派とは「導引」「吐納」「静定」「存思」「内丹」である。


qingling 清静 clarity and quiescence

 気功状態を表す言葉。


qixue 気穴 cavity of breathe

 伝統用語としては丹田の異名。


queqiao 鵲橋 magpie bridge

 magpieはカササギで、直訳であるが知らないものには見当がつかない。カササギの橋は年に一度空にかかる橋でそれを伝って牽牛と織女が出会える橋である。肛門と会陰、舌先と上頤の歯の内側をつなげることを鵲橋といい、それほどつながらないとされた。この二カ所の気が通ることが小周天の条件である。


renmai 任脈 function vessel

 会陰から神闕を経て承漿に至るのが任脈であるが、周天功では任脈は逆行し、背中から上がった督脈を受けて上唇にある齦交に舌を当てて任脈を下ろして行くことが狙われる。


ruding 入定 entering stability

 道家で入静といっているものを仏家では入定(にゅうじょう)といっている。練功過程に現れる覚醒状態で、通常の明晰な意識とも昏沈状態とも違っていて、高度に安静であり、軽くリラックスしてのびのびした特殊な状態である。それは静功修練に最適の状態で、自律神経が調整され大脳と内臓の間に正常な機能が回復する。『天台小止観』に説明されている。


rujing 入静 entering stability

 気功状態が一定の深まりを持って全心身の安定を生み出すとき、それを入静という。入静は主として脳の変化であるが、一時は脳波で定義できると思われたが気功師はα波で入製するとは限らず、破綻した。今では入静状態は脳の単位当たり酸素消費量の低下で計られるのが普通である。欧米の運動量が心拍数の増加で計られるのとちょうど逆であるのが興味深い。酸素消費量の低下は熟睡時で通常16%前後であるが気功の入静時には46%前後に低下する。


sanbao 三宝 three treasure

 精気神を体内の三宝という。


shen 神 spirit

 脳の意識思惟活動。


shen 身 body,person

 からだのこと。


shishen 識神 cognitive spirit

 無意識(元神)にたいして意識を言う。


shouqiao 守竅 guarding the opening

 竅は全身にある大事な作用を持ったツボのことだが、そのすべての大本という意味で最も大切なのが、両眼の奥の祖竅である。竅に集中したまま意識をそらさないことが守竅だが、特に祖竅に集中することをしばしば守竅という。


shouyi 守一 guardenbryon breathing

 『西昇経』に「丹書万巻も守一に及ばない」とある。入静の根本方法である。体内の一部または外界の事物に集中してそこから意識を離さないことである。心と体は二つのもので、両者を一致させるには体を心に統合して行くことは出来ず、心が自由に動くことを禁欲して体と一体になるしかない。


tianmon 天門 gate of heaven

 内丹用語としては両方の眉間の間で天庭ともいう。


tianshu 天枢 celestial axis

 内丹用語としては北斗七星の第一星をいう。また陽明胃経の臍の両側のツボの名前。


tianzhen 天真 celestial reality

 元神、精のこと。


waitan 外丹 external elixir

 本来は体の外の自然界にある薬物を指す。内丹という内部の薬物をさす言葉が出来てから外界の自然の気をさす言葉としても使われた。


waiyao 外薬 external medicine

 外丹のもともとの意味と同じ。


weilu 尾呂 caudal funnel

 尾?骨にあるツボ。


wenhuo 文火 gentle fire

 やわらかい火加減に例えて、気功の効果を穏やかに効かせることを言う。


wu 無 nothing

 道教は無を、仏教は空を根本概念とする。


wuhuo 武火 fierce fire

 文火の反対で、気功を強い火加減でして行くこと。

 


wuji 無極 ultimateness

 道家の哲学用語としては、大自然の万物始原の最初で形のないことを指す。また人体の先天の始まりでまだ骨も内臓も出来ていない状態をいう。立ち方としては上も下もなく、右も左もなく、前も後ろもない、浮かぶように立っている立ち方。


wujitu 無極図 chart of ultimateness

 太極図以前の何もない円を無極図と呼ぶ。


wushu 巫術 shamanic and mediumistic arts

 シャマニズム。


wuwei 無為 non doing

 意識的に何もしないことを選ぶこと。


wuxing 五行 five agent

 中国古代哲学の言葉。世界のすべての物質は木火土金水の五元素に還元できる。それは相互に生み出し相互に排斥し合う関係に会って、複雑な物質世界を作り出している。人体では木は肝、胆、筋、目になり、火に対応するのは心、三焦、小腸、脈、舌に、などの関係になる。季節や方位もこれをもとに分類された。

Wuzhenpian 悟真篇 Awaking to reality

 宋の張伯端が1075年に描いた内丹術の主要な経典。『周易参同契』と並び称せられる


xianshu 仙術 arts of immortality

 仙人になる技術であるが、現代に陳嬰寧が道教を中心に仏教、儒教を総合して新しい意味の仙道を提唱した。


xiantian 先天 precelestial,prior to heaven

 生まれる前から継承しているもの。①腎間の動気の発動前の状態、②体内の父母の精血、③精気神がまだ漏れていない時期、④先天の神気。先天の気といった場合、父母の父母の父母…から引き継いでいる代々の気のすべてを指している。普通の気功は肺の気を使った後天気功であるが、内丹気功で使うのは腎臓に宿る先天の気である。


xiaozhoutian 小周天 lesser celestial circuit

 任督に脈の気がめぐることを小周天という。これに対して12正経すべてが通った状態を大周天という。


in 心 heart,mind

 ①心臓を指す。②精神、感覚、知覚、記憶、情感、意志、認識などの総称。③中心を指す。


xing 性 nature

 本性、人格。


Xingmingguizhi 性命佳旨 Teaching on the joint cultivation and

life

 気功史の中での極めて重要な書物だが、作者や詳しい年代がわかっていない。豊富な図版が含まれ、現代の気功修練への影響は極めて大きい。


xu 虚 emptiness

 普通の辞書では虚しい、空の、空虚な、空にする、空けておく、虚心な、謙虚な、むだな、無にする、おびえる、などの意味だが、内丹用語では①右腎のこと、②内丹修練の最高段階で物我両忘、返還先天。『啓真集』には「形を忘れて気を養えば気が根となり、気を忘れて神を養えば神は真を養い、神もまた忘れれば虚が養い、養と虚が合わさって道に入る」とある。


xuanguan 玄関 mysterious varier

 ①両眼の間を指す。②心臓と腎臓の間を指す。③練功する人の神識意念を指す。


zunxi 存思       qigong through image

 意守と同じ意味にも使うが、現代では存想と同じ意味。


zunxiang 存想       qigong through image

 何かのイメージをキープすることによる気功法。五大流派の一つ。治病のために、または高度の入静のために行う。『道枢』に言う。「存想とは何か。私の神にずっと集中することである。また私の体にずっと集中することである。眼を閉じれば自分の眼が見えるように、心を閉じてその心を見ることである。心も眼もみなそれ自身から離れなければ神が傷つくことはない」

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150語ほどを一気に訳した。

2015年5月21日


『健身気功常用用語辞典』をやっと訳し終えた。
正月にがんばって半分程したが、その後なかなか機会を見つけられずに、のびのびの仕事になっていた。あさって健身気功協会の総会があるので、一昨日思いついて、残りの150語ほどを一気に訳した。たとえば「い」の所の項目で言うと
以意引気
以一念代万念
医家気功
意形相随
以声引気
医療気功
引気帰元
陰陽学説
と並んでいる。常識だよ、という人もいるだろうし、初めて聞く気がするという方もいるだろう。もとは小さなパンフレットであるから、そんなに詳しい説明はしていない。300語余りでA4版[出来上がりでB5版]64 ページ、原稿用紙にして256j枚だから厚手の新書一冊分である。
明日印刷に行って、製本の暇はないので、明日の晩折って、明後日持って行く。内容は追々紹介しよう。HOMEに返る

 


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三日間取り憑かれたように訳した。

2015年5月22日


「健身気功常用用語辞典」の表紙を作り、60枚余りのイラストを張り込んでいたら五時になってしまった。さすがに画面がよく見えなくなって来た。もう寝ます。11時から印刷に行くことになっている。
全部で400字換算をすると274枚なので、厚めの新書か単行本一冊くらいはある。三日間取り憑かれたように訳した。
最後に気持ちにもページにも余裕ができたので、ちょっと遊んだ。ひとつのページには王木(さんずいに木)が沢山書いている内丹のイラストから一枚引用して、書いた。
「内丹の象徴体系。牛と鹿と羊が丹の素材を運んでくる。
脳の奥と臍の奥と会陰に鼎がある。
健身気功の範囲ではただ精気神を知識として知っておくだけで
内丹には着手しない。だがこの辞典にあるように書かれてみると
ますます多くの人がいつかこの道を歩みたいと思うようになるだろう。」
もう一ページには『中国の遊印』から好きな印鑑を引いた。
意、古と会す。という言葉だ。
大昔の人が書いたことが自分のための言葉であるように思って感動する。
ロマン・ロランが「私のためだけの膨大な図書館が私の心の中にある」といったそのことだ。
「登 石如が乾隆年間に彫った印である。この文字自体が
「周の鼎の銘のようであり、側款は禹王の書に似ている」
と言われた。彼はこの文字をタイムマシンにして古人の心に会った。
それを見る者も、ここにある言葉通り古代に運ばれる気持ちがする。
それは気功と同じだ。背骨ゆらしで1300年前の臨在の禅の指導を受けているようであり、亀の呼吸で5700年前の青海省の人々に出会えるのだ。
登は例によってコザト偏のつくトウ小平のトウだ。
気功も文字も私を「現在」から解放してくれるためにある。HOMEに返る

 


写真
もとの「辞典」より読みやすくなった。

2015年5月23日


昼ごろに小原さんの車で印刷所に行った。おじいさんと娘さんと二人掛かりでしてくれるので、64ページ100部が30分かからない。ここ何年間か毎月頼んでいつもページ数が変わるだけでやりかたは同じなので、もうすっかり慣れてくれている。時折「コピー機ただで使用量だけでリースしますよ」と言ったセールスが入るが、以前のように自宅にコピーがあったら無尽蔵にコピーしてしまうから、ちょうどいい距離に信頼できるコピー屋がある、というのが一番節度を持って使えるのだ。
小原さんは早朝から昼までの勤務で、また午後ある。病院のバスを運転している。少しでも休んでいたいだろうに、100部の丁合だけすませてくれた。私が折って仕上げる。

昨日ほぼ徹夜でイラストを張り込んだ。60枚余りなのだが、これは原本からの説明イラストをコピーしたもの。これ以外に、プリンタについているあまり性能の良くないA4サイズまでのコピーを使って、いろいろ試してみた。中国で黄帝内経の一年間のテレビ番組をした。歴史的なテキストやゆかりの地をたずねたり、それを使いこなして来た医師たちの事績を追ったり、各地で活動する老中医を訪ねて話を聞いた。老中医というのは一種の尊敬語で必ずしも年取っているという意味ではないのだが、番組では本当の長老たちを主に各地に訪ねて話を聞いていた。その記録の本がある。厚さが五センチもあって、全ページに写真が入っているその写真から何枚かとった。石田秀美さんの『中国医学思想史』と三浦國雄さんの『朱子・気・身体』とか『雲笈七箋』の表紙とかいろいろコピーしてみた。あえて空きページが出来るように作ったので、そこに黄帝内経の古い版本の写真とか体内図とかいろいろ貼り込んで行く。もともとの「辞典」より読みやすそうになった。
「あ」の「握固」から「わ」の「忘れる勿れ助ける勿れ」まで約300項目。
ほんとは64pもあると折ってもなかなか落ち着かない。折り方もあるので、64pを一緒に一編に折っても、たとえば机に並べることはほぼ不可能だ。せめて四回くらいにページを分けて折って、圧力を加えてからでないと一冊に治まっていない。これを避けるにはもう二万くらいかけてちゃんと閉じたパンフにすることだが、それには一週間かかる。折り方で工夫するしかない。

ええとこれは1500円+送料200円でおわけします。『健身気功常用用語手帳』がタイトルです。
前にお知らせした『気功の第二ステップ』が2000円、
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これは日本国内の話で、中国とかアメリカにいる方は送料がもう少しかかります。


ゆうちょ銀行で00980-1-94576気功文化研究所に振り込んでくれればすぐ発送します。外国在住の方、複数部数申し込みの方、送料のご相談はメールでどうぞ。
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