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*  太極気功  *

太極

①太極気功とは何か

②老人にも向く太極拳

③李天驥先生と私の太極気功

④足が弱った人の太極拳

⑤太極拳なのか気功なのか

⑥太極気功にはどんなものがあるか



   太極気功って何

2011年1月16日 2:51


太極気功は、太極拳の形にもとづいて、それを気功として、繰り返しじっくり練習できるようにした、気功法の総称です。いま日本でひろまっている太極拳は大別して三種類です。


  1. 制定拳
  2. 楊名時太極拳
  3. 伝統武術太極拳

このうち①は中国の政府が制定した「型」をするものです。決められた形を表演して(他人の前で演ずること)点数をつける競技を頂点としています。もちろん競技には参加しないという人もたくさんいますが、公式には競技を目的としています。楊名時太極拳は制定拳と似た動きを使っていますが、制定拳とは違うし、武術を競うものでもありません。太極拳の形をしているが、気功としての内実を持っています。楊先生も晩年にそう名乗ったこともありますが「気功太極拳」なのです。上達のめどとしてのおおまかな段位制はありますが、人と比べていく競技はありません。


もともとの伝統的な拳法、太極拳でいえば制定拳ではなしに、陳式や呉式やの本来のものを研究していくのが、伝統武術としての太極拳です。それらに対して、もうひとつの潮流があります。それが④太極気功です。太極気功は太極拳の形をそのまま使わずに、そのひとつひとつの動作を繰り返し練習できるようにし、普通の太極拳学習では得られない、気功としての内実を練習しやすくしたものです。わたしが1991年に出した『太極拳第一歩』は、太極拳の「入門以前」のさまざまな練習方法を提案していますが、その中に二つの太極気功を紹介しています。


李天驥の「太極基本功10式」とわたしが編集した「五行太極拳」の二つです。今回のDVDには、この李天驥10式と、わたしの「五行太極拳」をやさしくした五行太極養生樁が入っています。太極気功には、おおまかにまとめて、七つの功能があります。


  1. 簡化太極拳を学ぶ前の入門として学ぶことができる。
  2. 太極拳の授業に入る前に準備運動として使うことができる
  3. せいぜい前に一歩踏み出すだけの定歩の太極拳なので、せまい所でも練習ができる>
  4. 全部やらなくても、好きなものだけを選んでやり、時間が一分しかなければ一分でやることもでき、「ちょっと一服」の太極拳としても使える。
  5. 太極拳をすでに長く学んでいるものが、基本の動作を磨くために使える。繰り返し運動によって余分の緊張がとれ、あるべき形に自然になっていくものである。>
  6. そしてこれが太極気功のもっともすぐれた点なのだが、簡単な動作のゆったりした繰り返しの中で、容易に気の実感をつかむことができる。太極拳をひとつの流れとしてやることを「套路」というが、套路よりもたやすく呼吸と動作、意念と動作をつなげて研究していくことができる。
  7. さらに、独立した保健気功、つまり病気にならないように予防し、病気になっても治療のために応用することができる。ということです。

さまざまな太極気功をご一緒に研究していきませんか


   老人にも向く太極拳.

2011年1月16日 1:16


太極拳と気功のサイトを探しましたが、太極気功という言葉は林厚省の「太極十八式」だけでした。でも中国では太極気功というのはとてもたくさんあって、ひとつの独立したジャンルになっているのです。それを知らせたくて、ここに「太極気功」のウォールを作ってみました。とくに、正規の武術的太極拳が体にきつい思いはじめたお年寄りに朗報です。太極気功なら、膝にも無理なく、ずっとやっていくことができます。蹬却とか分脚とかで足を上げるのもつらいですよね。でももともとあんなに華麗に挙げるのは表演で人に見せるためで、実際に使うときは、主としてすねをけりつけていきます。



本当は低い位置でいいのです。わたしが足を高く挙げられなくなったから言うのではないのです。極端に言えば坐ったままでも、寝たきりになっても太極拳は楽しめます。むしろそうした老人や病人のものとしてこれから研究して行きたいと思うのです。若いあなたも、向こうに行ってしまうのは早すぎます。何年も太極拳をしてもほんとうにじくっりと内部で気を感じていますか。いつも決まった型だけやるのでは、深く感じている間がないのではありませんか。実は太極気功は、「気を感ずる太極拳」の早道なのです。興味をもってくれましたか。だんだんに紹介して行きますね。


李天驥さんと、わたしの太極気功.

2011年1月16日 1:45


李天驥さんは皆さんもご存知の24式太極拳を編集した人です。もともと孫式太極拳の人でした。最初につくったかんたんな太極拳がいろいろ評判が悪かったのでやさしい楊式太極拳をベースにしていろんな人に相談して作りました。その李天驥さんが自分で作って残した太極気功がふたつあります。ひとつは「太極基本功十式」もうひとつは「太極十三勢」です。十三勢のほうは、太極拳の起源として有名な太極十三勢に名前を借りて簡化太極拳の方法をアレンジしたものです。もうひとつが、わたしが習ったものですがどこにも文献に残さなかったので結局わたしの『太極拳第一歩』にだけ残されています。


もうひとつ、わたしの作った五行太極養生樁というのがあります。樁というのは椿に似ていますが、日が臼になっています。その場に立ったまま、という意味ですね。太極気功はたくさんあるのですがこの二つが一番基礎になるだろうと、わたしは考えています。



足が弱った人の太極拳.

2011年1月16日 3:51


60過ぎると、とたんに足が弱りますよね。ちょっとした道路の段差でもひっかかって転びそうになったり階段をあがるのがこんなに苦しかったかと思うようになります。四十歳から七十歳で足を支える筋肉が普通半分になると言います。ということは体重五十キロだった人は百キロを持ち上げないといけない。わたし、実は百十キロあります。なかなか減りません。四十のときも、いま六十二ですがいまどきもずっと百十キロ。ということは、減った筋肉にとっては今や二百キロを越そうとしているのです。でも、予備の筋肉というものがあるのです。筋繊維細胞というのがあって、それが予備の筋肉に育っていくためのスペアです。


ずっと鍛えていれば筋繊維細胞を育てるこができてあなたはそんなに不自由なく歩いたり走ったりできるはずですよ。とずっと人には言ってきたのです。ところが、自分のことになると計算通りいきません。先ず階段がつらくなって階段一段で四秒寿命が延びるという話なんですが、もう機会あらばエスカレーター、エレベーターをつかってしまいます。半年くらい早く死んでもいいや、といったところです。電車でもいやしく席を探したりします。階段を下りるほうも様変わりです。あなたは本当に身が軽い、蝶のように階段を上がり降りするねとこれはある女性の体育の教師が言ってくれた言葉。


当時から太っていたわたしを蝶と呼ぶのも相当の想像力ですがとらかく身がかるいのだけは自慢だったのです。変れば変るもの。年を経て、もっと変っていくのでしょう。そのために、かかとを挙げたり膝をのばしたり、曲げたり膝をお腹に引き上げてその場歩きをしたり手すりに足を乗せて伸ばしたりせめても足の運動を公園でしようとするが老化の速度に追いついているか、はなはだこころもとない。それで開き直って先回りしてまったく起きられなくなった人のための体操とかベッドに身をおこせるだけの人の運動とか半身不随になったときの研究とかをやっておくかと。でも太極気功はいいと思うのですよ。


無理をせずにしかも極端な老衰をしないようにてきどにほどよく鍛えられる。蹴り上げなくてもいいのです。下勢が沈めなくても、立ったまでもいいのです。大またに弓歩をするのが疲れるなら、もっと狭い範囲でうごけばいいのです。極端にいえば、全身不随になった人が車椅子に坐って眼だけで太極拳の動きを追っていたって内部の筋肉は立派に動いているということだってありえます。自分が動くのを想像しただけで、汗をかいてほどよい筋肉疲労が生ずるかも知れない。その地点を零度として元気な若者の太極拳を百度としてその間に六十五度も三十三度もいろいろにあってそのすべてが太極拳の楽しみ方だと思いたい。いや、今年は少しやせるつもりですがね、未来はまだずっと楽しいと思っていたいのです。


太極拳なのか、気功なのか.

2011年1月16日 12:06


太極拳をもとにした気功、ということなのですねその歴史は古いものではありません。気功ははっきりしているだけで5500年の歴史があります。対して太極拳はせいぜい数百年の歴史です。その太極拳が気功に影響を与えて、独特の気功を生み出します。太極気功の歴史は二百年より古いことはないと思います。古代の気功になくて、「太極拳出現以後」の気功に登場してきたのが「抱球」(ほうきゅう、パオチウ)という技術」です。掌を向き合わせるとその間に「球」ができる。太極拳はその球をあやつることで、「敵」を翻弄し、結局「無」にしてしまう。それは太極拳の本質に関わる技術なのですがまたそれはゆっくり。


なぜこれらの気功は作られたのでしょうか。太極拳そのものを学ぶことと何がことなっていたのでしょうか。第一に、もともとの太極拳の技を分解してやさしくし、初心者にも練習しやすくしたということです。第二に、もとの套路(全体の技の流れ)から切り離して、ある部分だけをわかりやすくし、練習しやすくしたということです。第三に、これがもっとも重要な点ですが、分けて繰り返し練習することによって、気の流れを味わい、とくに気にに集中して練習できるようにしたことです。これによって、気功を学んできた者にとっては、太極拳の套路を覚えることなしに、太極拳の基本姿勢や呼吸、意念をつかことができ、それによって気功の身法、息法、心法をさらに深く探求することができます太極拳の技術的蓄積を短期間に学んでいくことができます。


太極拳をやっている人の立ち方は違う」といいますがその核心部分をもっと容易に身につけることができるのです。太極拳を学ぶ者にとってはすでに知っている太極拳の技を気功として学びなおし太極拳本来の気の流れを容易に把握することができますこれは太極拳の套路だけ学んでいるものには難しいか極めて時間がかかるものを短時日に学ぶことができます。気功だけやってきた方にも太極拳だけやってきた方にも気功と太極拳を両方やってきて、いつか全面的に結び付けたいと思ってこられた方にも、これは朗報なのです。とくに、太極拳をやってきたがどうにも膝がつらくなってきたという年齢の方には「これからの太極拳」なのです。


太極気功にはどんなものがあるか

2011年1月16日 11:38


太極気功にはさまざまなものがあります。気功文化』25号に紹介したものだけで、以下のようなものがあります


書者書名
李天驥 太極基本功10式
太極十三勢
焦国瑞気功太極十五勢
保健十三勢(三環掌)
周稔豊気功太極六段選
太極選練十二式
林厚省太極十八式
趙中道太極尺気功
李経悟太極内功
張 宇 外丹功
李志和 太極気功
蔡光斥太極運気法
李丁・陳中行太極気功二十八式
張啓先太極養生功
宋顕英 太極養気功
羅光弟太極樁
関一文太極功
関永年内外兼修站樁八式
李遠国玄門太極長生功
馬礼堂太極功
内外兼修站樁八式

これ以外に日本で編集された太極気功があります


書者書名
出口衆太郎波動功
津村喬五行太極拳
五行太極選練
五行太極養生樁
   

これを全部映像に撮ると何十巻になってしまうので、主なものからだんだんに紹介していきましょう




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